漢字問題

【JLPT指導者日本語教師必見!】漢字が苦手な学習者への効果的な指導方法とは!?

赤いペンで漢字が書いてあり、鉛筆で送り仮名がノートいっぱいにかいてある画像。

かおる先生
かおる先生
JLPT専門日本語教師のかおるです。

日本語を勉強する上で、
生徒さんが一番苦手とするのが
『漢字を覚えること』です。

漢字圏の生徒さんは問題ないのですが、
非漢字圏の生徒さんにとって
とても大きな悩みです。

この記事では、
漢字が苦手な生徒さんに
漢字を教える際のポイント

お伝えします。

このポイントを知ると、
漢字を丸暗記する勉強から
生徒さんは抜け出すことができます。

また、
漢字を理解して覚える事で
応用の仕方もわかり
読解問題でも役に立ちます。

もしこの記事を読まなかったら、
いつまでもあなたの生徒さんは
漢字を試験の為に丸暗記して
中々身に付きません。

生徒さんは
たくさんの時間をかけて
日本語を勉強をするので
その時間を無駄にしたくないですよね。

生徒さんの勉強時間を無駄にしないために
ぜひ最後までこの記事を
読んでください。

机の上に、時計・タブレット・スマホ・付箋・ノート・手帳が置いてある画像。

漢字を教える際の
3つのポイントをお伝えします。

ノートの上に、画鋲と1・2・3と書いてるふせんが3つ置いてある画像。

【漢字の指導ポイント その1】

漢字の成り立ちを教える

漢字には必ず成り立ちがあります。

「どのようにして漢字ができたのか」
を学ぶ事で、
一つ一つの漢字を
理解して覚える事ができます。

本の成り立ちの絵が上に書いてあり、下には成り立ちと「本」の意味が書いてる画像。

また、
成り立ちを覚えると
漢字の持つ意味が理解できます。

例えば、
『本』という漢字の成り立ちを知って
『本』の持つ意味を理解します。

そうすると、
熟語を覚える時に
漢字の持つ意味を知っていると
非常に覚えやすくなります。

また同時に、
漢字には4種類のどの成り立ちなのかも
一緒に教えると
さらに理解しやすくなります。

<漢字の成り立ちの種類>

①象形文字
目に見える物を線で描いた絵を基に
作られた漢字

②指示文字
形として表しにくいので、点や線で表して
その図を基に作られた漢字
(ちなみに『本』は指示文字です)

③会意文字
象形文字や指示文字などを
2つ以上組み合わせて本来の漢字とは
別の意味を表す文字になった漢字

④形成文字
「意味を表す漢字」と「発音を表す漢字」が
組み合わさってできた漢字
(漢字の80%以上がこの漢字です)

最初に、
漢字の成り立ちを覚えることは
【漢字指導ポイント2】
に、実は繋がっていきます。

白い紙に書道で「漢字」と書いてあり、その下に「KANJI」と書いてる画像。

【漢字の指導ポイント その2】

関連する熟語をいっしょに覚える

先ほどの『本』で例えてみます。

本の成り立ちの絵が上に書いてあり、下には成り立ちと「本」の意味が書いてる画像。

成り立ちを説明したら、
「本」という漢字が持つ意味の
「①大事、大切」を伝えます。

そして、
その意味に関連する熟語を教えます。

この場合だと、
「基本」や「根元」などがあります。

次に、
「②中心、メイン」の意味の熟語は
「本店」や「(分校に対しての)本校」
などを伝えます。

続けて
「③最初からあるもの、
生まれた時からあるもの」の意味の熟語は、
「本質」や「本能」などがあります。

最後に
「④絵や文が書いてある物」の意味の熟語は
「本屋」や「絵本」などがあります。

このように
本質を説明しておくと、
今後「本」を使った熟語を覚える際に
熟語の意味を理解して覚える事ができます。

また、理解して覚える事で
長期記憶として覚える事ができます。

だたし熟語は、
N5、N4の生徒さんには
難しい言葉が非常に多いです。

直接法の授業だと
「絵教材」や「実物」を見せたりして
教える方法があります。


間接法の授業だと意味を
「媒介語」で教えるという方法があります。

どこまで、
最初の段階で熟語を教えるのかは
みなさんの授業内容や生徒さんのレベルで
決めてくださいね。

N3以上の生徒さんは、
この方法で勉強すると
一気に語彙力が上がます。


そして、
結果として全体的に
問題が解けるようになっていきます。

ノートの上に、「#ことば」と書いてありペンが一緒においてある。そして周りにはアルファベットが書かれたサイコロがたくさんちりばめられている画像。

【漢字の指導ポイント その3】

部首を教える

漢字のほとんどは
「七種類」の部首から成り立っています。

また、
部首には意味があるので
部首から漢字を理解する事ができます。

漢字を教える際に、
部首がある漢字の時は
一緒に部首を教えます。

<7種類の部首>

①『偏(へん)』は漢字、の左側
例)「きへん」「のぎへん」など

②『旁(つくり)』は、漢字の右側
例)「おおざと」「ちから」など

③『冠(かんむり)』は、漢字の上
例)「くさかんむり」「たけかんむり」など

④『脚(あし)』は、漢字の下
例)「こころ」「かい」「くち」など

⑤『構(かまえ)』は、漢字の外
例)「くにがまえ」「もんがまえ」など

⑥『垂(たれ)』は、漢字の上から左下
例)「がんだれ」「まだれ」など

⑦『繞(にょう)』は、漢字の左から下
例)「しんにょう」「そうにょう」など

漢字を教える際には、
部首も一緒に調べてくださいね。

画面の上部に葉っぱが置いてって、真ん中には、「POINT」のアルファベットが一つ一つ書いてある積み木が置いてある画像。

漢字を教える際の
3つのポイントはいかがでしたか?

「教え方を知らなかった!」

「漢字について
 知らない事ばかりだった…」

「そこまで教えるの!?」

と、驚いたかもしれません。

もちろん
絶対にすべてを
教えななければいけない
というわけではありません。


漢字を教える方法を知って、
自分でどのように授業で取り入れるのか
考えて実践してくださいね。

青空を背景に、人差し指が上を向いていて、右側に電球のビックリマークが書いてある画像。

漢字を教えるために、

あなたがすぐに
するべきことがあります。

それは、

漢字に
興味を持つ事です。

そのために、
まずはインターネットや本で

漢字の成り立ちや部首などを
調べてください。

また、本を選ぶ際は、
日本の子供向けの漢字の本などが
おすすめです。

子供が興味を持つように
絵や説明などが書いてあるので
楽しく学ぶ事ができます。

あなたの生徒さんが、
漢字が大好きになることを
心より応援しています!

日本語の辞書の上に、ボールペンが置いてある画像。
ABOUT ME
kaoru_sensei
JLPT専門日本語教師のかおるです。これまで7000時間以上のJLPT指導を行った経験から、JLPT指導についてのポイントをお伝えしています。特に文法指導が得意です。